
リハビリが長引く不安を抱える方も、適切な戦略で早期卒業を目指せます
整形外科のリハビリには「150日」という期限がある
整形外科に通っている方の中には、「リハビリっていつまで続けられるんだろう」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
実は、日本の健康保険制度では、リハビリを受けられる期間に明確な上限が設けられています。2006年の診療報酬改定以降、疾患の種類によって「標準的算定日数」が定められ、整形外科で扱う骨折、変形性関節症、腰痛、五十肩といった症状は「運動器リハビリテーション」に分類され、その期限は発症や手術の日から数えて150日と決まっているんです。
約5ヶ月というこの期間は、軽度の怪我であれば十分に回復できる長さかもしれません。しかし、重度の骨折や広範囲の腱断裂、深刻な関節拘縮を抱える方にとっては、回復の途上で突然「期限です」と告げられるような、非常に厳しい数字なんですね。
150日を超えたら、リハビリはどうなる?
では、この150日を超えたらどうなるのでしょうか。
結論から言うと、治療が完全に不可能になるわけではありません。ただし、受けられるリハビリの頻度が「月13単位まで」と非常に厳しく制限されてしまいます。1単位は20分ですから、月に約260分、つまり週に1回強しか通えなくなるということです。
それまで週3回、集中的にリハビリを受けていた方にとっては、週1回というペースでは思うような機能改善が難しくなります。現場の医師も「あとは維持していきましょう」といった方針に切り替えざるを得ないのが現状なんです。
交通事故のリハビリ打ち切り問題
整形外科のリハビリが終わらないという悩みの中でも、特に深刻なのが交通事故のケースです。
受傷から3ヶ月から半年ほど経つと、保険会社から「そろそろ治療を終了にしませんか」という打診が来ることがよくあります。まだ痛みがあるのに、一方的に期限を決められるのは納得いかないですよね。
でも、ここで慌てないでください。
医学的に「症状固定」を決める権利があるのは、保険会社ではなく、あくまで主治医の判断です。もし医師が「まだリハビリを継続することで改善が見込める」と判断しているなら、その旨をしっかりと伝え、相談することが重要です。
また、保険会社が治療費の支払いを止めたとしても、それは治療をしてはいけないという意味ではありません。健康保険に切り替えて通院を続け、最終的な示談でその費用を請求できる可能性もあります。弁護士費用特約などを使って、法律のプロに交渉を任せるのも賢い戦略ですよ。
150日後も回復を続けるための選択肢
では、150日の期限が迫っている、あるいはすでに超えてしまった場合、どうすれば良いのでしょうか。
選択肢1:維持期リハビリとして継続する
150日を超えても、月13単位の範囲内であれば保険診療でリハビリを継続できます。ただし、これは「維持」が目的となるため、劇的な改善は期待しにくくなります。
選択肢2:自費リハビリに切り替える
保険の枠を超えて、自費でリハビリを継続する選択肢もあります。整形外科クリニックの中には、自費リハビリを提供しているところもありますが、費用は1回数千円から1万円程度かかることが多いです。
選択肢3:鍼灸との併用で回復を加速させる
私が最もおすすめするのは、整形外科のリハビリと鍼灸を併用するという方法です。

整形外科のリハビリと鍼灸の併用が、回復を加速させます
整形外科のリハビリが得意とするのは、筋肉を鍛えたり関節を動かしたりする「ハード面の修理」です。対して鍼灸が得意とするのは、血流を促し、過敏になった神経を鎮め、身体の治癒力を引き出す「ソフト面の調整」です。
この二つを併用することで、それぞれ単独では得られなかった相乗効果が生まれるんですね。実際、当院では整形外科のリハビリと並行して鍼灸治療を受けられた方が、停滞していた回復が再び動き出したというケースを数多く経験しています。
納得して「卒業」するために大切なこと
リハビリの本来の目的は、日常生活の質を向上させることです。痛みがゼロになることだけを目指すのではなく、「自分で自分の身体を管理できるようになったかどうか」を卒業の基準にしてみてください。
具体的には、
- 痛みの原因を理解している
- 自分でストレッチなどで対処できる
- 再発予防の知識が身についている
これらが揃っていれば、漫然と通い続ける必要はありません。
私は大阪・十三で30年、3000件以上の症例を診てきた経験から、患者さん一人ひとりに合わせた「卒業の形」を提案しています。もし一人で戦略を立てるのが難しいと感じたら、いつでもご相談ください。
あなたが自信を持って「リハビリ、卒業しました!」と言えるその日まで、私は人生の伴走者として共に歩み続けます。
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整形外科のリハビリが終わらない…いつまで通う?早期卒業への近道を院長が解説